レンタルメンタル

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休み明けからの魔の様な1週間が過ぎた。俺は明日の取引先との会議の資料をまとめていた。 そこに経営企画室に呼ばれて行っていた部長が帰って来た。何か暗い顔をしている。 「あれ?部長どうしたんすか?浮かない顔して、らしくないっすよ?」 「宮部君、言いにくいんだけど」 部長に言いにくい事なんかあるのか?と思いながら部長のデスクの前まで行った。 「ウィルスが現れてもう2年経つじゃない……でね、うちみたいに酒のつまみの珍味なんて非常事態に売れるわけないじゃない。君もわかるでしょ?業績の落ち込み」 「はい……仰る通りですね」 「でね、だんだん落ち着いて来た今年の年末で数字を挽回して欲しいって……予算修正が入ったの」 「どのくらい?」 俺は恐る恐る聞いた。 「7%上乗せ」 「な、な、ななぱーせんとぉ!」 7%と言っても年末の分母が大きい時の7%は売り上げにすると大き過ぎる数値だ。 「でね、宮部君。PBを扱っているこの部門に望みを託すって」 「えっ!」 俺は愕然とした。 「そう、つまり君に社運がかかってるって事」 「そ、そんなぁ」 デスクに戻り資料を漠然と見つめていると頭の中は1週間前に戻っている。どうすればいいんだしか頭を巡らない。 あの時、部長は成し遂げようと思わない者に成功は無し!と言っていた。 でも今の俺には限界だ。 カードを胸ポケットに入れた。 目をつぶり祈る様な気持ちで呟いた。 「誰か強い気持ちを貸してくれ」
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