レンタルメンタル

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ずっと内勤して来た俺は主力商品のデーターは録ってある。まずはUSBをと……あれっ?あれっ? 「な~にゴソゴソやってんのよ!何を使ってもって使いたいものがないんじゃできないっしょ?あなたはいつもそうやって」 「あったぁ~っ!」 見つかった。原口部長をチラ見してからUSBを差し込んだ。 先ずは前年実績から今年度予算、そこから販売個数を割り出して生産見込みを出す、そこから仕入れの確認だから……紙を見て仕入れ担当者にメールを送る。 かかって来た!俺はカードをポケットに入れた。 「宮部です、悪いね具合が悪いところ」 仕入れ担当者は掠れた声で資料のファイルのフォルダの保存場所と今までの進捗状況を説明してくれた。 ちょっと気が荒く押しの強い性格。 秋田にある工場の仕入れ部門責任者と連絡をとった。 「本社の宮部です」 「あら?担当かわったんんだども?」 「いえ、体調不良で代理です」 「そか、ならしかたがねな」 コテコテの秋田弁だ。 数の子は年間で契約して仕入れて冷凍してあるが、昆布が高騰していて産地を変えなければならないから、明日見積りを送るとの事だった。 「あの、生鮮と違って販売価格を変えるわけにいかないんで、わかってますよね?」 自分でもびっくりする言葉が出た。 「ほんたら事言ったって出来る事と出来ね事あっから」 「それをやるのがあなたの仕事ですよね?」 またびっくり、自分の口から出たとは思えない言葉だ。 仕入れはとりあえず明日の見積りを待つ。次は生産部門だ。
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