レンタルメンタル

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同じ様に担当者に連絡を取り、胸ポケットにカードを入れた。情報を聞き出した。 しっかり目標は達成させる強さはあり柔らかい言葉で言うべき事は言うやつだ。 新潟工場に連絡を入れる。生産計画主任が出た。 「本社の宮部です」 「あれ?担当者じゃないんかのう?」 同じ事を違う方言で言われた。 製造日程を確認すると 「そんぎゃぁな事ゆわれんよぉにてもまにあわすから」と言われて終った。 地方事務所への連絡はここまでだ。 部長の視線が突き刺さる。 「部長、地方には標準語話せる人はいないんですかね?」 「えっ?仕方ないでしょ?地元採用のほうがコストかからないんだから!で?どうなの、うまく行きそう?」 「はい、お陰様でちゃんとやってますから余計な心配は御無用です」 「えっ?」 あっ!まだ製造担当者のカードが入ったままだ。俺はごまかす様に話を振った。 「部。部長はなに弁でしたっつけ?飲み会で酔うと出ますよね?たしか……さらえてとか、やんけとか」 部長はムスっとした顔で 「岐阜!それが何か?岐阜だってね!長良川、金華山、白川郷、下呂温泉て有名な観光地が沢山あるし!有名って言えば流行りの漫画の歌うたった歌手の出身地だし!」 また機関銃を発射させてしまった。 「で、部長はその岐阜で学生時代を満喫してたってわけですね?」 「遊ぶのは名古屋」 「はい?」 少し気まずそうに声のトーンが下がった。 俺はそれを見て不覚にも可愛いと思ってしまった。部長と言えどスーパー出世の二つ年下だ。 さっ、次は細かい話をする部門だ。成分管理をしている研究部門。ここの内容はこれからの取引先との打ち合わせの為に綿密に進めなければならない。絶対にミスは出来ない。
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