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「部長!宜しいですか?」
「な、なに!その勢い着いた野獣の様な目は?」
「んな事はいいです。昆布の見積りがとんでもない数字なんです、安くするには輸入しかありません。しかしこの企業のPBは国産原料しか使わないとなってます」
「そ、そうだけど?」
部長、何で後ずさりしてんだ?まあいい、俺は続けた。
「なので、他でコストカットをしなければ利益が出ません。で、物流費をカットします」
「どうやって?」
「はい、主要1都3県は各拠点に輸送してます。それを新潟工場から一番近い物流センターに纏めて輸送するだけにするんです」
「そこからは?」
「はい、そこには佃煮分類が集約されて店毎に分けられて輸送されます。そこに入れてもらいます。ただ、その分時間がかかるので発注から店着までのリードタイムが今までは翌日だったのが2日になりますが。我が社の商品は販売期限も長いのでそこは上手く説明すればクリア出来ます」
「はぁ……」
「そうすれば出荷するのは2日に1回ですのでコストは半分。輸送場所も減るので4分の1。便乗するコストをいれても大幅なコストカットです」
「わかった宮部君、でも取引先をうんと言わせられる?」
「は、はい……」
俺は胸ポケットに手を当てカードの存在を確認した。
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