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お昼過ぎ「こんにちわー」
「あら、氷川様。お越しいただきありがとうございます」
秘書課長が出迎えた。
氷川様を社長室にお通しし出て来たリーダーが「コーヒーをご用意いたします」と言うと、秘書課長が珍しく声を荒げた。
「リーダー!いつになったら覚えるの?氷川様はコーヒーはお飲みならないでしょ?佐藤さんお茶をご用意して」
「えっ!私がですか?」
「そう、上級煎茶でね」と言って含み笑いを向けた。
社長に私のお茶を出せるチャンスが回って来た。
「失礼いたします」
氷川様、社長の順にお茶を出す。
「失礼いたしました」
頭を下げた時、茶器の蓋を置く音がした。
社長室のドアに手をかけると社長の声が……。
「これは君が入れたお茶かね?」
「作用でございます」
「美味しい……」
「ありがとうございます」
その日から朝のお茶は私が煎れる事になった。
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