(四)

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(四)

 翌日、仕事を終えて私は駐車場へ向かって歩いていた。  昨日はこのへんで加島拓弥が待ち伏せしていたが、さすがに今日はいないだろう……。そう思っていたら、加島が電柱の陰から現れた。 「あんたに話がある」  私はその姿を見て、また昨日と同じ話になるのかととっさに予想した。しかし予想とは違っていた。 「昨日のあの店で話できないか」  加島の言葉を意外に思ったが、私が昨日指摘したことをそのまま実行しているのだろう。意外と素直なヤツなのかもしれない。しかし、そこでの話はきっとまた同じだろう。  あまり生産的な話し合いにはならなそうだと思った。とはいえ、聞くだけ聞いてみようと思い、私は昨日と同じく車を取りに行って戻ってきた。そして加島を助手席に乗せて、昨日と同じファミリーレストランへと車を走らせた。 (続く)
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