タイミング

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タイミング

「下から出すより、上に迫り上がってくる方が多いからさ、そっちに慣れちゃったんだよね」 そんなことを急に言ってきた。 ふざけんな、なんてタイミングなんだ。 「おまえさ、今そんな下品極まりないこと言わなくていいから」 「いや、聞いてきたのお前じゃん」 平然とした顔で言ってくる。 「いや、俺が聞いたの昨日だし、今だし!」 確かに、昨日【なんでゲロばっか吐くんだ】と聞いたのは俺だ。 「だって、飯で思い出したんだもん」 プーっと頬を膨らませて言う。 こいつ…、 「せめてさぁ、ラップして置いといても大丈夫な食事の時にしろよ。 今食ってんのカップラーメンだぞ。 今食わなきゃいけねーじゃねーかよ」 「カップラーメンの時以外だったらいいのかよ」 「ったく、しかも、ゲロとうんこって、ダブルじゃねーかよ、 吐きそうだよ、ほんとに」 「あ!俺せっかく伏せて言ったのに!」 「意味が伝わったら伏せるもクソもねーんだよ。あぁ、ガチ吐く」 「自分でも言ってんじゃん」 奴のニヤニヤしながら言ったのを無視して、ちょっと伸びたカップラーメンを啜った。
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