生命力

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――四月四日。  我が家の庭の花壇に、見慣れない植物の芽が出ているのを見つけた。  普通ならばいちいち注目することもないのだが、それはまるで絵に描いたような、見事なまでの綺麗な双葉だったのだ。  完璧なシンメトリー。その輪郭は歪みのない曲線を描き、程よく膨らみを持った美しい流線形を作っていた。質感は柔らかく、それでいて弾力や張りがあり、しなやかな強さを宿している。そして、鮮やかなグリーンがキラキラと日光を反射し、葉そのものが輝いているようにさえ見えた。生命力に満ち溢れているのだ。  小さな双葉ながら、その存在感は周囲の花々にすら全く負けていない。新芽にして既に王者の如き風格を有していた。成長したら、一体どのような姿となるのだろうか。  私はすっかり他の草花の世話も忘れ、双葉の観察に夢中になった。
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