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学者連中に調べものをさせ、それを実行するつもりだ――曖昧すぎる噂だったものが、どうやら本格的に動くのだとわかったのが昨年だ。
周辺の集落に協力をあおぐ伝令が訪れた。それが三月前。
協力という名の強制が続いて届けられた。それが先月。
そして首長たちが集まり、いま会合を開いている。
はじめて噂を聞いたとき、ミノは荒唐無稽なお話として楽しんだ。
古代の生きものをよみがえらせるというのだ、お話としては上等で、興奮して眠れなくなったほどだった。
「国がするのは変なことばっかりだって思っても、あながち間違いじゃないだろうな。国なんてさ、ずっと昔から、まわりに知らせないでごちゃごちゃやってるもんだろうし」
「だよねぇ。どっかで話が間違って、ほんとのところと違う話になってるかもね」
その生きものは、古代に地上を支配していたという。いまは滅び、人間が闊歩している。古いそれを呼び戻すというのが、どういう思考から出てくるのか――それがミノにはわからず、集落にわかるものもいなかった。
二階の部屋に入ろうとすると、戸口に彼が立っていた。手を差し出してきて、ミノを抱えるようにする。
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