ベイブ 〜その小説、ホントにアナタが書きましたか?〜

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       ── ベイブ ──  編集者の間で使われている隠語の一つ。 ・意味や使い方──盗作癖のある作家のことを指す呼称。編集者同士で注意喚起を促すためのもの。  例「あの先生、だから原稿が上がったら入念にチェックね。一応、本人にも確認をしておいて」など。 ・由来──「盗作」の「盗」の部首が皿部(べいぶ)であるため。 *警察では「窃盗」のことを、「窃」の部首である「宀」を取って「ウカンムリ」という隠語を使用していることからだと思われる。 ・俗説──とある作家が、盗作したことを頑なに認めようとしなかった。  それどころか「なぜ事前に編集部で調べない! おかげで盗作作家の汚名を着せられてしまったじゃないか! むしろこちらの方が被害者だ!」と逆ギレした挙げ句、告訴をすると暴れ出した。  すると堪忍袋の尾が切れた当時の編集長が、 「黙れ! この!」  と、作家のケツを蹴り上げ、最終的には盗作を認めさせたとか。  その事件がいつしか子豚を題材にした映画「ベイブ」になぞられ、盗作した作家のことをそう呼ぶようになった──というのは、酔っ払った編集者が後輩をからかうために語ったことが、まことしやかに広まったものである。
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