8人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
六月十七日 キバナコスモス(黄花秋桜)
拝啓
お誕生日おめでとう
気の向くままに細長い吊
橋を駆け抜けてゆく君。吊り橋効果なんてなん
ら気にもせず、僕は苦笑する。
恋しい人よ、僕のことをもう
少し頼ってくれないか。いや、
もう少しと言わず僕の腕の中に収まっていておくれ。
少しの時間だけでいい。君の鼓動が聴いていたい。
敬具
六月十七日、
僕はその手紙に封をして机の中へとしまった。
雨粒の中を笑いて踊る君情熱的なキバラコスモス
了
最初のコメントを投稿しよう!