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俺達の会話を黙って聞いていた魔王がとうとう激怒した。
「おまえ達、全員まとめて肉塊にしてくれる!」
じいさんが魔王に向き合って、また笑顔になった。
「お客様もレンタル返却時刻です」
「魔王も借りていたのか!」
「もう少しだけ待ってくれ、我が……私が……ボクが今から倒しますから」
「口調まで変わっている」
魔王はとても小さくなり、この世界で最弱のモンスターの姿になった。俺がモンスターの目の前で手の平をポンと合わせると気絶した。
荒廃した大地に野花が咲き乱れ、人々が歓喜に舞う声が聞こえた。
俺とラルドと元魔王は、レンタル料金を払えなくて、レンタル店で働かされることになった。扉が開く音が聞こえると声を揃えて笑顔で応対した。
「ようこそレンタル屋『冒険の味方』に!」
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