婚約者は、クラスメイト

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婚約者は、クラスメイト

「あなたたち2人は婚約者です」 そう言われたとき、びっくりして思考が止まった。 「6時に大広間へ?」 「はい、大叔母様から咲音(さきね)さまへ、伝えたいことがあるそうです」 (伝えたいこと?大叔母様が私に?) 疑問を持ちながら、咲音は自室へと向かった。 6時 コンコン 「咲音です。」 「こちらへ来なさい」 「はい」 大叔母様、いえ、古市美和子。古市家での一番の権力者である。美和子には、誰にも逆らえない。 いや、大叔父様。美和子の夫の古市和喜は、大叔母様よりも権力がある。ただ、病で床にふせているのだ。 「咲音、秋さん、こちらへ」 (秋って誰?) 大叔母様の目線の先には、見知らぬ男がいた。同年代くらいだろうか。この人がおそらく「秋」なのだろう。 「あなたたちに言いたいことは、これのみ。 あなたたち2人は婚約者です」 (え?) そして冒頭へ戻る。 「高校卒業と同時に結婚です それをこれからはとどめておきなさい」 (嘘でしょ?結婚?婚約?) 隣を見ると、秋という人も動揺していた。 (この人と結婚? 私、恋人がいるのに、どうすればいいの?)
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