3人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
婚約者は、クラスメイト
「あなたたち2人は婚約者です」
そう言われたとき、びっくりして思考が止まった。
「6時に大広間へ?」
「はい、大叔母様から咲音(さきね)さまへ、伝えたいことがあるそうです」
(伝えたいこと?大叔母様が私に?)
疑問を持ちながら、咲音は自室へと向かった。
6時
コンコン
「咲音です。」
「こちらへ来なさい」
「はい」
大叔母様、いえ、古市美和子。古市家での一番の権力者である。美和子には、誰にも逆らえない。
いや、大叔父様。美和子の夫の古市和喜は、大叔母様よりも権力がある。ただ、病で床にふせているのだ。
「咲音、秋さん、こちらへ」
(秋って誰?)
大叔母様の目線の先には、見知らぬ男がいた。同年代くらいだろうか。この人がおそらく「秋」なのだろう。
「あなたたちに言いたいことは、これのみ。
あなたたち2人は婚約者です」
(え?)
そして冒頭へ戻る。
「高校卒業と同時に結婚です
それをこれからはとどめておきなさい」
(嘘でしょ?結婚?婚約?)
隣を見ると、秋という人も動揺していた。
(この人と結婚?
私、恋人がいるのに、どうすればいいの?)
最初のコメントを投稿しよう!