ショコラ  理想的な家族4ー良子

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「否定はしない」  わたしは目の前に座っている相棒に、そう答えた。  客観的に見て、わたしはあのテロ事件でのことでショックを受け、気持ちが落ち込んでいる。心が弱っている。 「心配しなくても、ずっと付き合っていけるなんて思ってないよ」  小太郎と一生続くなんて思っていない。  わたしたちは生きている場所が違うし、秘密だらけの生活が長く続くとも思っていない。  では最初から関わり合うべきではなかった。  相棒の顔がそう言っている。わたしもそう思う。だが、耐え切れなかった。 「あいつがしつこかったんだよ」  小太郎のせいにして、目を逸らせる。  相棒はそんな私の顔をじっと見ると、立ち上がった。 「あんまり、入れ込むなよ」  そう言うと、立ち去って行った。
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