イメージと現実4

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「(あれっ。冷静に考えると同じベッドで寝ようとしている?)」  そのことに気が付くと急に面映ゆくなり顔を赤らめてしまった。 「ぼ、ぼくやっぱりあっちのソファで眠ろうかなぁ~」  不自然極まりない動揺しまくった声。  だが寝室を出ようとするがノアに手を掴まれ止められた。 「急に何ってるんだよ」 「いや、ほら、なんか冷静になると恥ずかしいというか、緊張するというか、あんまりよくないというか、なんというか……」  六条優也二十五歳は、中高大合わせて五度彼女ができたが彼女よりも勉強を優先することが多くなってしまいどれも長続きはしなかった。ちなみに、当時の優也は特に気にしていなかったが大人になり悪いことをしたなと後悔している。 「じゃあ、俺があっちで寝る」 「いや、いーよ。あんなとこで寝たら明日、体が痛くなるよ」 「なに言ってんだよ。世話になってんのに一人だけちゃんとしたとこで寝るわけにはいかねーだろ」 「ノアにも、そういう常識はあったんだ」 「うるせぇ」  イラっときたのかノアの拳が肩へ伸びる。 「とにかく、俺があっちで寝るか一緒にここで寝るかの二択だ。選べ」 「――分かったよ」  その二択に渋々とベッドに入る。  だが電気を消し目が暗闇に慣れ始めても優也はまだ、落ち着けずにただ天井を眺めていた。ふと、横を見てみるとノアは既に心地よい寝息を立てている。 「やっぱり寝られないや。今のうちにあっちに行こうかな」  そう思い静かにベッドを抜け出そうとするが、腕に何かが絡み付いて動けない。首を傾げながら腕を見遣るとノアの両腕が抱き枕でも抱くように抱き締めていた。それを見た優也はバレずにそっとベッドを抜け出すことができないと分かり大きな溜息を零す。  そして再び枕に頭を沈め睡魔に連れ去れるのをただ待ち続けていると、いつの間にか本人も気が付かないうちに夢の世界へ招待されていた。
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