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第壱幕:人と御伽
混じりけのない白髪は少し長く好青年な印象を与える髪型。シミひとつ、汚れひとつなかったであろう真っ白なワイシャツと白いスーツパンツは今となっては血に汚れていた。
そして上から三つのボタンが外れたシャツからは首につけられたリングのネックレスが顔を出し呼吸に連動して揺れている。その際に時折、内側に刻印された【F-M】という文字が光を反射し輝いていた。
そんな男の右手に握られていたのは柄頭が蛇頭形の剣。その剣はまるで何かの呪いを宿しているような禍々しさを纏っていた。
そしてこの男と対峙していた男が一人。
左耳で僅かに揺れる十字架のピアス。右手に握られていたのは赤と黒で彩られた鍔の無い太刀。そして黒いスーツパンツとワインレッド色のシャツを着た黒髪の背中。
二人はそれぞれ武器を構えると、同時に動き出し武器を振り上げた……。
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