エピローグ

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エピローグ

奇想天外の真実を知った俺は、冷静でいられるはずがなかった。 いままでのみずほ先輩の奇妙な言動がぐるぐると頭の中を回っている。 「か、か、か……かれしですか……? みずほ先輩の?」 「だって、付き合ってくれるって言ったの、かつき君じゃない。ショッピングモールを取材してから少し経った頃だよ。学校から帰るとき」 思い出すと、俺は下僕として取材に付き合うのを了承したし、ほかの部活に入部したわけでもないからフリーだと答えた。 「い、いや、俺、そんなつもりじゃ、なかったんですけど……」 「え……?」 とたん、みずほ先輩の顔がさっと青くなる。 「それって、もしかして……」 「たぶん、みずほ先輩の、勘違いっす……」 「う、う、うそぉ……」 みずほ先輩は魂が抜けたようにへなへなとその場にへたり込む。 「だってよく考えてみてくださいよ、みずほ先輩みたいなひととお付き合いなんて、こんなヘタレな奴につとまるわけないじゃないすか!」 いくらなんでも俺なんて分不相応だ。一国の王女様と平民が結ばれるなんて、万が一にもありえないこと。 「そっ、そんなことないわよ! かつき君はいつだってわたしのことを――」 言葉を詰まらせ瞳を潤ませるみずほ先輩。どうすればいいかわからず、とにかく正直に胸の内を明かす。 「いやだって、みずほ先輩は超美人で凛として優しくて誰もが勝てないって思うようなひとだし、そりゃあみずほ先輩とお付き合いできたら天にも昇る気持ちになりますし、できればずっと一緒にいたいなんて思っちゃったりしてますよ俺。でもさすがにそれはないっしょ」 みずほ先輩はだまりこみ、うつむいてもじもじとし始めた。そして小声でこうこぼす。
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