第三章・ー告白ー

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 という事は、今回は全面的に自分達が悪いというのに他ならない。  依然として睨んでくるトウジを前にして、シェイカーが僅かに俯く。 「……ごめん。知らなかったっていうのは、言い訳にもならないと思う。俺も二人の事を理解していた筈なのに、目を背けてしまっていた責任がある」 「俺は、エディ刑事の事もそうだが、今回に限ってはイレブンジーズ課長を絶対に許せない。どう謝ってもらおうと、お前達は俺の大事な相棒を傷付けた。だから今回は、俺がオフィーリアの代わりに相手をさせてもらう。イレブンジーズ課長の甘え切った性根を、根底から鍛え直してやる」  言われて一瞬、抗議の声をあげそうになったシェイカーだったが、すぐ視界に、トウジに抱き締められて身体を震わせているオフィーリアの姿が入り、すんでのところで思い留まる。  会話は全て聞こえていると仮定しても、何も口を挟んでこないところから判断するに、そうとすら出来ない程、今のオフィーリアは精神的にも肉体的にも弱っているという事だ。 「止める事は、絶対に許さない」 「……止めないよ。俺にはそんな権利すらない。本当に、謝っても謝りきれない」 「……済まない。お前達に悪気がない事は、充分承知しているんだ。だが、俺にも譲れないものはあるから。それだけは()()って欲しい」  これだけ怒っていても尚、シェイカー達の心境も推し測る事が出来るトウジには、本当に心の底から申し訳なさを感じつつ、小さく息を吐いてから続けた。 「アンダーテイカーに話してくるよ」 「頼む」 「……あ、でも。手合わせ中はオフィーリアを誰が診るの?」  シェイカーは自分が審判役を務めるつもりのようで、トウジは手合わせの相手であるから、その間オフィーリアが一人、取り残される事になる。  それを心配しての一言であったが、看病役を買って出たのは、医務室の中に入ってきた、意外な人物であった。
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