赤色と過ちと依存

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赤色と過ちと依存

 それでも、まあまあ、赤色に対しても颯太に対しても、これは依存なのだと言われると否定できない。  何かに縋らないと、ちゃんと自分が保てないというのも、いろいろ困ったものだけれども、何かが壊れているから仕方がない。壊れているところを補う何かが必要なのだ。  そう、私は壊れている。  それを教えてくれたのは、きっと赤という色だった。本当は、それだけのことなのだろうとも思う。  初めて赤い口紅を塗ったあの日、あれは壊れた私にメンディングテープを張るようなものだったのだ。  私が壊れていることを教えてくれるから、必要なのかもしれない。  壊されたのではなくて、もともとが欠陥品だったから。だから、土足で踏み荒らしてしまうような、あんなことをしてしまった。鏡を見るたびに、真っ赤になった私の唇が、それを訴えているのをまざまざと見せつけられる。  そこから目を逸らしたいわけじゃない。  ヒーローに変身する。  そういう颯太の言葉はとても嬉しかったし、それで私はとても誇らしくなれた。でも、それは、地球を守ろうとして街を壊してる、どうしようもない奴でしかないと、気づかされる瞬間もある。  だから、本当は赤色を纏っていたって、まともになんかなれないのだ。
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