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「嘘だよ。本気にした?」
子供のように笑う男。イタズラを成功させた無邪気な子供のようだった。
「こんなおばさんをからかうものじゃないわよ」
「おばさんって俺と同い年だろ? 二十歳後半くらい。それにお姉さんはめっちゃきれいだと思うよ」
「お世辞ならいらないわ」
そうしているうちに私は男と手を繋いだままのことを気づかされる。夫以外と手を繋いだのは久しぶりで、触れられたこともなかったのに。あっさりと触れた男。目が合う。
ドキドキした。きっとお酒に酔っているせいだと思っていたら男は私を抱き寄せてそっと唇を重ねてきた。強引なキスに私は抵抗できない。
くちゅと唇を重なると私も求めるようにキスを返した。夜空に照らされた公園で見知らぬ男とキスをする。その状況にとても心臓が高鳴った。
「もっとしていい?」
「はい」
かしゃりとコンビニの袋が落ちる。男が私の頬に手で覆いながらキスをしてくる。軽く唇を重ねて、次は舌を絡ませた。歯磨きもしていないのに、私は男に身体を寄せる。
男もそれに答えるように私を抱きしめる。背中に手を回して背中を愛撫される。
「どうしよう。酔っているのかしら」
「顔は赤いよ。んっ。強引なほうが好きなのかもよ」
男がイタズラっぽく笑った。そうかもしれない。そうだといいな。
「私、友人と日帰りの旅行だったけれど、急に泊まることになって一部屋に二人でベッドを使うの」
「それって男と?」
「違うわ。女よ」
「ふーん。ならさ、俺のところに来る?」
「いや」そんな言い方は嫌だった。
「ふふ、俺のところに来いよ」
「はい」
男と私は最後にもう一度、キスをした。男がホテルの予約をしている間ソファーに座りドキドキしていた。スマホも財布も置いてきた。何をされても助けを求めることはできない。
その状況なのに心臓は鼓動が止まらない。
「お待たせ。行こっか」
男に連れられて、ホテルに入る。まずはシャワーと思ったけど、
「一緒がいいな? いや、一緒にシャワーを浴びないと許さないかな」
「もうからかわないで」
そう言いながら私は服を脱いだ。裸を見せるあの夜につけられた傷だらけの身体だ。男が少し驚いた顔をする。
「やめる? 私ね」
「いい。そんなこと聞きたくて誘ったわけじゃない」
「シャワー浴びよう。な?」
「うん」
熱いシャワーを頭から被る、男も一緒だった。背後から抱きしめられて胸を触られた。鏡にうつる自分はまるで子供のように戸惑っている。男が背後から抱きしめてキスをする。私も大きな手を握りしめた。
守られている。安心できる。夫には感じなかった性欲、女の部分が顔を出した。男が私の胸を触り揉む。快感に身体が揺れて、男もさらに強くしかし優しく揉まれる。
「もっと強くしていいの。犯してもいいの」
「そう? わかった。なら壁に手をついて」
男の指示に従い、壁に手をつく。いきなりだった男の熱いものが私の陰部に入ってきた。まだほぐしてもいない陰部に強引にねじ込まれるそれに私の身体が快感に喜び、思わず壁から手を離しそうになった。
「離したらダメ。許さない」
「ひや、ひゃい」
返事をしながら必死に壁に手を押し付ける。鏡にうつる自分はだらしない顔をしていた。見知らぬ男に犯されるという事実がどうしようもなく快感できゅきゅうと男のそれを締め上げる。
男もそれに答えるように強く突いてくる。胸を強く揉まれて私は喘ぎ声が止まらなかった。犯されていく。私の身体が、見知らぬ男に命じられて。そう思うと止まらなかった。もっとほしかった。
「ごめんね。なんかいきなり本番しちゃってさ」
男と湯船につかりながら言う。男は絶頂に達する前に終わらせてしまった。湯船に入りながら男は私を膝の上に座らせて抱きしめてくれる。
「いいのよ。さすがに中に出すわけにはいかないし」
「そのわりには不満そうだけど?」
「気のせいよ」
噓だ。本当は中に出してほしかった。あの快感をもう一度味わいたかった。だから、私は男のあれを太ももに挟む。
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