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1。
夜、寝静まった部屋の扉が音もなく開いた。その日、私は飲み慣れていないコーヒーのせいでなかなか眠れない夜をすごしていた。
真っ暗な部屋に黒い影が入ってくる。誰? と声を出すこともできなくてベッドに黒い影が上がってくる。混乱する私の髪を撫でながら、はぁはぁと黒い影が荒い呼吸を繰り返している。
真っ暗な部屋の中に充血した瞳だけがらんらんと光っていた。季節は夏で寝苦しい夜だった。黒い影が私の髪を撫でながら額に触れる。
背筋にゾワリと悪寒が走った。黒い影が私の首筋にキスをする。服の上から大きな手が私のお腹を撫でてポツリ、ポツリとパジャマのボタンを外されて、ブラジャーをずらされた。
黒い影が身体を押し付けてくる。どくどくと熱く鼓動を繰り返すそれが私の太ももに触れて、私は声にならない悲鳴を上げた。起きていることがバレたらどうなるかわからない。
おへそを撫でられ、胸を揉まれる。首筋にキスをされペロペロと舌で舐められた。身体がピクッと揺れて黒い影の呼吸がさらに荒くなる。やめてぇと心の中で訴えるけれど黒い影には届かない。
黒い影が私の頬に触れる、抵抗できないように両手を掴まれて強制的にばんざいする姿勢になる。開かれたパジャマとずらされたブラジャー、そんなに大きくない胸が上下している。恥ずかしくて泣きそうになった。黒い影が私の唇を奪う。
せめてもの抵抗に口を閉じるけれど、黒い影の荒い吐息に背筋がぶるりと震えて口が開いた。それを狙ったように黒い影の舌が私の口の中を犯していく。んぅーと喘ぎ声がもれそうになり、黒い影がさらに強く身体を押し付けてくる。
くちゅくちゅとよだれが混ざる音がする。胸を触られてこのたびに身体を反応してしまう。尖ったところをコリコリと指でいじられ、もじもじとあしを動かしても何もならない。
ここだけは守ろうとするけれど、ひとしきりキスを堪能した黒い影が私の胸にキスをしてきた。黒い影の吐息がはぁはぁと繰り返して、あまがみを繰り返して舌の先がコリコリと舐めていく。
ブンブンと首を横にふってみても、黒い影はなくならない。涙がこぼれていく。もうここで声を出してしまいたいのに声がでなかった。
黒い影が私の背中に手を回して抱きしめるように私の身体を持ち上げる。そのまま椅子に座ると黒い影の膝に座らされ、背後から抱きしめられながら、あごを触られてへその辺りを人差し指がコリコリといじられる。
黒い影の吐息が耳元にかかり、びちゃびちゃと耳たぶをしゃぶられる。口の中で私の耳が舌と絡み合う。寝ているふりをしているのに声が出そうになった。黒い影の膝に座っているのにお尻のところに熱いものが当たっている。
半ば強制的に太ももに挟まれ黒い影が腰をふる。太ももを熱いものが上下を繰り返して、黒い影が私の身体を抱きしめ耳を噛む。
痛いほどに噛まれて、両手で胸を触られた。寝たふりなんてしなければよかった。起きていることをしっかり示せばよかった。
意思とは無関係に身体を快楽が突き抜けていく。身体が熱く火照っていく。声がもれそうになるのを下唇を噛んで我慢した。はやく終わって心の中で願いながら、太ももに挟まれた熱いものから何かが吹き出す。
パジャマのズボンに何か生臭い何かが飛び散り、私は椅子から転げ落ちた。はぁーはぁーと黒い影が椅子に座って余韻に浸るような薄気味悪い笑顔を浮かべていた。
私は床に転がりながら、少しでも逃れるように動いた。動いてしまった。黒い影が言う。
「起きてる?」
黒い影が私を見下ろす、生臭いそれがぷるりと揺れた。恐怖でバッチリと目が合った。
「起きてるんだねぇ、起きてるんだねぇ」
黒い影がニヤニヤと笑う。黒い手が伸びてきた。
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