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道は曲がりくねり、緩やかに丘を登る。村は次第に遠ざかる。
やがて朝陽が差し込んでくる頃に、一時課の鐘の音が聞こえてきた。
今頃アリシアが朝食の準備をしているだろうか。
しばらく道を進むと丘の頂に到達し、一気に視界が開ける。
北西に見えるリスティ湖からは一本の河が南東に向けて蛇行しながら伸びており、西には「静寂の森」、東には「銀の平地」が見える。
丘の上を強い風が吹いた。肩まで伸びたあなたの髪がなびく。
振り返ると、もう、フェンマージェンは、遥か遠くにあった。郷里を見つめながら、気が付けばあなたは過去を追想していた。
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