【別れの朝】

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 「これはお前の父さんが身につけていたものだ。肌身離さず、ずっと持っていなさい。」  首から架けられた琥珀のペンダントを指差しながら、養父ショールは、まだ幼い頃のあなたにそう告げた。  「誇りをもって、強く生きなさい。お前もお父さんのように勇敢な男になりなさい。」そういってくれた。  あれから自分は強くなれただろうか。それはわからない。  だが、何よりも、自分だけには「特別なチカラ」がなかった。  この旅の目的を果たし、自分もチカラを得て、変わらなければならない。そう信じてきた。あなたは決意を強め、再び歩み始める。
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