【別れの朝】

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 丘を下りきったところで道は曲がり、静寂の森の中へと続いていた。道を進む。  木々の間から太陽の日差しが入り込む。  しばらくゆくと、数羽の鳥がバサバサと羽ばたき、飛び去って行った。そして近くの草木が揺れ動いた。目視はできないが、  確かにそこに何かが潜んでいるのがわかる。  あなたは短刀を抜くと腰を落とし身構えた。  前方に、後方に、そして左右からも生き物の気配がする。そう。あなたはいつの間にか周囲を何物かに囲まれていたのだ。  やがてそれは姿を現す。
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