【別れの朝】

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 低いうめき声と共に狼が現れ、あなたを睨みつけている。  これまでに何度か獣と対峙したことはあったが、今回は数が多すぎる。どう切り抜けるべきか。  そう考えているうちに正面にいる狼が飛び掛かってきた。  十分に引き付けたうえで、あなたは左から右に勢いよく短刀を振る。  相手の首元に刃が深く入り込み、骨にぶつかる感触があった。どす黒い液体が飛び散る。  狼はゴボゴボと声にならない鳴き声を上げ、ドサッと倒れた。  その瞬間、あなたの左の肩に激しい痛みが走る。更には別の方向からもあなたの首元に向けて狼が飛び掛かってきた。もはや回避できそうにない。  その時、飛び掛かってきた獣のからだに弓矢がグサリと突き刺さり、それが大きく跳ね飛ばされてゆくのが見えた。
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