【別れの朝】

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 もう迷いはない。あなたは自らに頷くと、テーブルの上に置き手紙を残し、物音を立てず、ゆっくりと自分の部屋を出る。  父さん、母さん、姉さん、そして自分に関わってくれたすべての人たちへ。  今日「深淵の森」へ向けて旅立ちます。何も言わず出てゆくことを許してください。  自分にとってこの村も、出会った人たちみんなも、心から愛すべき大切な存在でした。  この村で生まれたみんなのように“特別なチカラ”を得て、必ずまた戻ってきます。  さようなら。  ラティールより
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