日韓痴話げんか♡

１話…電話会談編

「まず、総理は先ほど韓国の次期大統領のミョン・シア氏と電話会談を実施したとのことですが、どのような話があったのでしょう？　総理が公約で掲げられている日韓関係の改善、又、北朝鮮の核問題は話題に上がったのでしょうか？」

　私の内心など知る由もない。記者団はずけずけと私にとっての死刑執行人の名を臆面もなく公然と公言してくる。しかし私は一国の首相だ。たとえ明日なき身だとしても毅然と冷静に振舞わなければならない。それが情緒なんてものが簡単に乱れる人の特性以前に、総理という人種なのだ。

「仰るようにミョン・シア次期大統領と電話会談を行いました。私の方からは改めて祝意をお伝えさせて頂いた上で、韓国は我が国にとって重要な隣国であり、いま国際社会が時代を画するような重要な局面を迎える中、国際秩序、ルールに元ずく健全な日韓関係を築いていく、これこそが地域、世界の平和、安定、繁栄を確保する上で不可欠であること、さらには関係改善を共に協力していたきいということをお伝えさせて頂きました。　
　これに対しシアは――え～、失礼、ミョン次期大統領からは日韓関係を重視しており関係改善に共に協力していきたいと発言があり、又、北朝鮮の中長距離弾道ミサイルや核開発、拉致問題を含む対応についても緊密に連携していく事を確認しております」
「総理、日韓関係、いわゆる徴用工など、具体的な問題は話題に上がったのでしょうか？」