プロローグ

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プロローグ

 2019年に日韓関係が戦後最悪と言われるまでに悪化した経緯はご存じの方もいると思う。第最悪期とも言うだろうか。  きっかけは日本が韓国に行った輸出管理の強化だ。むろんそれに至る経緯、日本側の主張はあるのだが此処ではさておく。半導体を洗浄する工程で使用するフッ化水素、基板に塗布する感光剤のレジスト、またフッ化ポリイミドの3品目に対し、輸出手続きを厳格化すると同年7月に発表した。  それを受け、時の韓国大統領は半導体産業が大打撃を受けると懸念、「韓国経済の成長を妨害した」と日本を非難したことで韓国での日本製品不買運動に繋がった。  日本ブランドの店舗に来店する客を撮影しネットにアップして非難する。又は日本旅行をキャンセルした証拠写真をネットに投稿するアピール合戦。一部の飲食店ではホームページに訪日キャンセルの証拠写真を送れば抽選で景品があたるというイベントもあったようだ。  某ハンバーガーチェーン店が発売したズワイガニバーガーに至っては、包装紙が旭日旗(きょくじつき)を連想させるとし一部のネットユーザーに抗議されたらしい。甲羅の部分が太陽で、左右の脚が太陽光にあたるという。商品の包装紙にも反日感情が出るという事態は関係が戦後最悪を如実に物語っていた証左だろう。  当時2019年は、私はオックスフォード大学に留学していて二十代前半ではあったが、多少なりとも少なからず日韓関係に関心はあった。それは付き合っていた彼女のシアが韓国人だったことが大きい。でなければ私の政治信念、公約は大きく変わっていたことだろうと思う。
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