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「よし! みんな、気合いを入れていくよ! でも、みんな僕の大切な家族達だ。無理して死んだりなんかしちゃあダメだからね?」
「はい! 船長!」
そんな言葉を投げかけるジルドレアに、美少年・美少女海賊達の士気も否応なく高まる……ま、〝大切〟に思っていたことに違いはないが、そのニュアンスは双方で若干異なっていたいするのであるが……。
「いけーっ! 我らがジルドレアのために闘えーっ!」
「船長ジルドレアに勝利をーっ!」
一見、優しい気遣いにも聞こえるその言葉の効果も相まって、一味の者達の士気は大変に高かった。
彼はこの海賊団においても、かつてと同じ恐怖による洗脳を少年・少女達に施しており、また、背徳の肉体的な繋がりが、疑似恋愛とも呼べる強固な彼への忠誠心を育んでいたのだ。
さらにはあくまで自己満足のためであるが、見た目を良くするのに彼らを煌びやかに着飾らせていたことが、少年・少女らにとっては他の海賊一味よりも優遇されているのだと勘違いされ、飴と鞭の飴の効果を図らずも発揮している。
「な、なんだこいつらは!? ガキのくせにやけに強えぞ!」
「ひいっ…! こ、こいつら命知らずか!?」
カノン砲の一斉掃射の後、ジルドレアに率いられてガレオンへと飛び移り、カットラス(※水夫や海賊に好まれた短いサーベル)片手に勇猛果敢な闘いぶりを見せる美少年・美少女海賊達の姿に、奴隷船の水夫達は誰もが恐れ慄いた。
そして、相手が戦慣れした兵士でなかったのも幸いし、呆気なく奴隷船はジルドレアの一味に拿捕されたのでる。
「──よし! みんなよくやってくれたね! じゃ、さっそく奴隷の選別をしようか。美しい子達だけ残して後は売っ払おう。いらない船員はどっか島へ捨ててこうかね……ああ、そこの君! カワイイ顔してるね! うちの一味に入らないかい?」
占領した後、奴隷船の船員達を全員縛りあげると、彼の目的である目ぼしい黒人奴隷のピックアップをジルドレアは始める。また、運良く未成年の水夫も幾人かいたので、好みの顔の者には声をかけて仲間に引き入れた。
さらには思わぬ副産物として、ジルドレア達はもと重武装ガレオンの奴隷船──ラ・コンコルディア号を手に入れることとなった。
せっかくの戦利品、これを海賊船として使わない手はない。彼はこれにカノン砲を再び追加装備し、もとの重武装ガレオンへと戻すと、〝聖女ジューヌの復讐号〟と名付けたこの船に、それまで乗っていたキャラックから乗り換えることにしたのだった。
ちなみに海賊船としては全然必要ないのだが、船内には美少年・美少女達と楽しむためのジャグジー風呂も増設されている。
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