向日葵が見てる

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お祖母ちゃんは、加古川という町の町外れで日用雑貨や小間物を売る小さな店を開いていた。庭にテーブルと丸いパイプ椅子を置いてあるので、そこで休憩して弁当を食べていく人もいた。 常連さんには、カレーやらウドンやら、オニギリやら、まあその日によって違うけれど、家で作った簡単な食べ物を振る舞っていた。そうしたら、お客さんはちゃんとお金を置いていってくれた。 「これはな、役所にはナイショやねんで。免許なしにお客に食べ物売ったらいかんのやからな」そう言ってお祖母ちゃんは笑っていた。 まあ、売ってる訳やなしに、振る舞ったら、たまたまお礼をしてくれた、ちゅうことやから、いいのかな。 そんな言い訳しながら、おばちゃんも私も、よく手伝っていた。 私は学校の友だちと遊ぶより、家の手伝いする方が好きだった。 学校で虐められることはないけど、可哀想がられるのもいやだ。それから「お母ちゃんがおらんのに偉いね」と言われるのはもっといやだ。
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