あなたの苦しみを知ってから私は目標ができました

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夏休みの学校が徐々にお化け屋敷になっていくワクワク感は、みんなを悪戯好きな小学生にタイムスリップさせて行くのに、時間は掛からなかった。 教室の床にスーパーで、もらって来た段ボールを敷き詰め、暗い部屋の中でも足が運びやすいようにしっかり養生テープを貼っていく作業は想像以上にキツかった。蛍光テープで順路の矢印を貼るのも、少し工夫して血みどろ感を持たせたりした。 男女関係なく協力しあってお化け屋敷は何とか完成した。 お客さんは喜んでくれるだろうか、一週間の努力を考えたら、成功するとしか考えられなかった。 中2の夏休みの前半は、楽しくみんなで協力し合ったお化け屋敷が、大盛況のうちに幕を閉じた。 これを機に、受験勉強に入る者たちは、このボランティア活動から一旦、距離を置くことになるのだった。
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