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後日、お化け屋敷を企画した重田さんが、簡単なご苦労さん会を開いてくださった。
あの時の仲間が再集結してジュースで乾杯しながら、あの時の話題であちこち盛り上がっていた。
重田さんが挨拶された。
「みなさん、先日は一校まるごとお化け屋敷企画に協力してくれてありがとうございました。お陰で大勢の人が来てくださって、大成功でしたね。僕はもう四捨五入すると50になっちゃうオジサンだけど、こういうレクを考えたり、やったりするのが若い時から好きでした。人の笑っている顔が大好きなんです。みんな仲良く、色んな人がいるけど、それでも分かり合える地点て言うのかな?それはあると思ってて。みんなには大変なことを頼んじゃったんだけど、出来たらみんなも人とは、仲良くすることを頭に置いて、これから活躍していってもらえたら嬉しいです。それから僕が暴走していたら、重田さん違うよ!って言ってください。一人いつも先頭に立っているとこれって本当に正解なの?って不安な時もあるんです。今回は本当にどうもありがとう。お疲れ様でした。またよろしくね」
重田さんは、オジサンには見えず兄貴的な人で、盆踊りの時も櫓の上でアニソンを踊って盛り上げる人だから、いつも人に囲まれていた。
じゃあ、私は?
そんなに友達との関わりが好きではないのに何でボランティアなんかに加わっているの?
内申がよくなりたいから?
唯一の親友の夏菜子に誘われたから?
勉強ばかりでつまらないから?
多分、全部正解だ。
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