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「そうだったね。話してみようかな。」
女性が頷き、「すみません。」と手を挙げたのがわかった。
「何か、お困りのことでもございましたか?」
テーブル席に着いて、2人に問う。
「はい。…実は私たち、結婚を視野に入れて付き合っているんですけど、本当にそれでいいのか不安なんです。」
女性はそう言って俯いた。
「俺はいつでもいいと言っているんですが、一人で考えちゃってるみたいなんです。どうすればいいと思いますか?」
男性は心底困っているようだ。
2人の相談内容は、結婚に踏み切るか否かということだろう。
「そうですね…。第三者の私が言えることがあるなら、なぜ結婚に踏み切れないのかという理由を話し合ってみるのはどうでしょうか?お2人は、それに対して話し合いはされましたか?」
「…話はしたんですけど、仕事の話とか子供の話とかで口論になってしまったことがあったんですよ。」
男性は、小さくため息を吐いた。
「では、ここでもう一度話し合ってみてはいかがでしょう?お互いが納得いくまで話し合う時間がありますよ。」
私が微笑みながらそう言うと、2人は驚いた顔をした。
「でも、時間が経ってしまいますよ?」
男性が少し身を乗り出しながら言った。
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