3、ある恋人たちの悩み

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やがて、2人は話し合いがついたのか、それぞれ席から立ち上がった。 割り勘にして、支払いをすませる。 「お互いに納得のいく話し合いはできましたか?」 私が聞くと2人は満面の笑みで頷いた。 「はい。結婚後のことで色々と不安があったんですけど、じっくりと話すことで、お互いに何を考えているのか知ることができました。」 女性は嬉しそうに笑った。 「お互い時間が取れなくて話せなかったことまで理解し合えました。とても助かりました、ありがとうございます。」 男性が礼をした。 「お役に立てたのなら幸いです。幸せな結婚生活を送れると良いですね。」 私は微笑み、彼らに名前を聞いた後にブルースターの写真が表紙に貼られたアルバムを差し上げた。 2人は嬉しそうに「ありがとうございます。」と言って会釈し店を出た。 チリン、チリンとドアベルが2人の未来を祝福するかのように澄んだ音を鳴らした。 ー2年後ー Cozsul(カシャル)に1通の手紙が届いた。 封を切り、中を見る。写真と便箋が1枚ずつ入っている。 写真には、結婚式場で幸せそうに笑い合う2人の姿が写っていた。 便箋には“あのときは、悩みを聞いていただきありがとうございました。無事結婚式を挙げることができ、とても幸せな毎日を過ごせています。 仲野(なかの)和広(かずひろ)、仲野早紀(さき)” とお礼が書かれていた。
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