エピローグ〜ある人物の悩み〜

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エピローグ〜ある人物の悩み〜

この店は、カフェ兼相談所。店名は“Cozsul(カシャル)”。 正式名称は、“Cozy Issues Consultation Office”。 Cozy:居心地の良い、Issues:問題(ここでは悩み)、Consultation:相談、Office:部屋。 意訳すると、安らぎと寛ぎを提供する悩み相談所”となる。 いつ開店しているのか、それは店主の三森(みもり)和寿(かずひさ)さんしか知らない。 しかし、彼は一番最初にCozsul(カシャル)を訪れた私に、『1番客の貴方にだけ、お教え致します。』と言って教えてくれた。 彼曰く、いつでも開店しているのだという。 悩みを抱えて、誰かに相談したいと心の底から思った時に、この店へ来店できると三森店主は説明した。 「家族や友人など、相談できる相手がいる場合の人は、Cozsul(カシャル)に来店されることもなければ、来店できないようになっております。つまり、本当に相談相手がいなくて、お困りの方にそっと寄り添うカフェ兼相談所なのです。」 三森店主は穏やかにそう言った。 私は彼がなぜ、この店を開いたのか気になって聞いた。 すると、彼は昔を懐かしむような目をした。
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