1、友達づくりに悩む男子大学生

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「はぁ…。」 その男性は、浮かない顔をしている。 「いらっしゃいませ。カウンター席とテーブル席、どちらに致しますか?」 私がお客様の前に来てそう言うと、彼は浮かない顔のまま「カウンター席でお願いします…。」と言った。 「かしこまりました。では、こちらへどうぞ。」 彼をカウンター席に通してメニューを置く。 「よろしければ、ご注文承っております。ごゆっくりお(くつろ)ぎくださいませ。」 深くお辞儀をして、カウンターに戻った。 男性はしばらくメニューを眺めていたが、やがて紅茶メニューを指さした。 「…あの、カモミールティーください。」 「かしこまりました。少々お待ちくださいませ。」 私は、戸棚からカモミールティーの紅茶缶を取り出し、茶匙(ちゃさじ)2杯分(すく)ってポットに入れる。 薬缶(やかん)に水を入れ、火をかける。 その間に、ティーセットを用意する。 あとは、お湯が沸くのを待つだけになった。 ちらりと、お客様の様子を見る。 相変わらず、落ち込んだ様子だった。 「先程から、何かお悩みのようですが何かございましたか?」 私は、彼に問いかけた。 彼は、驚いたようにこちらを見た。 「悩みがありましたら、ご相談に乗ります。この店は本来そのために作られておりますので、何なりとお聞かせください。」 私は彼に穏やかに微笑んだ。
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