1、友達づくりに悩む男子大学生

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「そうなんですか。……いただきます。」 お客様は、初めて少し微笑むとカモミールティーを1口飲んだ。 彼の強ばっていた表情が、柔らかく安心したそれに変わった。 「美味しいです。それにとても癒されます。」 彼は一息ついてそう言うと、何回かに分けて飲んだ後に紅茶を飲み干した。 「とても美味しかったです。ごちそうさまでした。」 彼は、晴れやかな笑顔を浮かべていた。 「喜んでいただけて、恐縮です。」 私はお客様に、深く礼をした。 そして顔を上げ、彼に声をかける。 「お客様、最後に数分お時間いただけますか?お悩みをお聞かせいただいた後に、どのお客様からもお聞きになっていることなのです。」 私がそう言うと、お客様は微笑んで頷いた。 「ありがとうございます。お客様のお名前をお聞かせいただけますか?ファーストネームのみで構いません。」 「僕はユヅと言います。漢字は、優しいの“優”に、克服の“克”です。」 「優克(ゆづ)様、ですね?」 「はい。」 私は、メモ帳に優克様の名前を書いた。 「少々お待ちくださいませ。席にお座りになってお待ちください。」 そう言って、私は店の奥へ下がった。
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