海の鍬形虫

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01 かぴかぴと乾いていく瞳を見つめながら 2人は静かに接吻をした ぼくは壁に反射する光のそれを眺め ポップコーンを口へ運んだ 02 亀は歩くのが遅いが 亀から見ればなんということはない 鳥は飛ぶのが上手いが 鳥から見ればなんということはない 人は失敗をするが 人から見ればなんということはない 03 馬鹿言っちゃあいけねえや 人が死んでないだの死んだだの えらくでっけえ話じゃねえか 04 なんにもしなくったっていいさ なんかの役には立ってるはずさ 風が気持ちいいとか 波が冷てえとか ぼやいてるだけのテトラポットだって 立派に仕事してるはずさ 05 彼女に陰茎が生えてきて それが俺のよりでかいんだ 06 画面の上をチカチカしてるだけのドットだって 世界でいちばん人気なキャラクターになれるんだぜ
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