運命

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運命

51872c68-8e1f-4705-bd65-46e192c93dfb 季節は夏の終わり。 そろそろ夕刻だというのに、まだ陽射しがジリジリと照りつける。 丘の上の大学病院。 私は裏門から入り、木陰の道を進んで外来病棟へ向かう。 チラッと横目に視界へ入り込んできたのは、 芝生の裏庭でサッカーしてる男の子と男性。 なぜか、ふと、微笑みが勝手に漏れた。 サッカー ...なつかしっ。 ここの芝生、よくお父さんのリハビリで 散歩したっけ。 あれ?  なにか一瞬思い出したような ... 残暑のせいか、 自宅から丘を歩いてきた疲れか。 ぼんやりした頭に、 言葉にならない叫び声が入ってくる。 「?」 振り返った目の前に、 飛びこんでくる〜〜〜 何っ!? 「バコーン!!」 「痛っあぁ」 頭に受けた衝撃で咄嗟にうずくまる。 ジーンとして頭グルグルになって ... あ、また。 この感覚もなつかしい。 コレ、一体、何 ...? 私は痛みの中で、むず痒い記憶の欠片にも気を囚われていた。 「ワァおねえさん、ナイスヘディングー♪」 男の子がコロコロ転がってくボールを追いかけて、横を通りすぎて行く。 そっか。 昔サッカー部のマネージャーしてた時、 たまにこうやってボールがぶつかって … 「ふっw なつかしすぎる。あぁ痛い... 」 記憶の断片が判明して、妙に可笑しな感覚と鈍痛が混ざり合う。 じわり、涙がにじみでてきたとき―― ( ビクッ!? ) 「スイマセン!ヤベェ!」 唐突に誰か至近距離に入り込んできた!
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