後編

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 反応してくれるのが嬉しくて、ペロペロと舐めながら、口に含んで擦るというのを繰り返した。 「はぁ……はぁ……いいっ……も……イっちゃいます」 「うう……うっ……」  雅は限界を伝えてきたが、俺は離したくなくて口いっぱいに雅を頬張って、唇で裏筋をごりごり擦って射精を促した。 「あ……あ、あ………でま……、あっっ! くっーーーっっ」  感じてくれたのか、雅はいつもより高い声を上げて、ドクドクと俺の口の中に放った。  喉の奥までぬるついた感触と苦い味が広がって、さすがに飲みこめなかった。  ゲホゲホとむせていると、雅はティッシュを持ってきてくれた。 「大森さん、舐めてくれるのは嬉しいけど、そんな必死に……もしかして……初めてですか?」 「……ごっ……っ、はぁ……ハァ、じよ……女性の下着がすき、なんて、ソッチだと思ったかも、しれないが……。今まで女性としか付き合ったことがない。男は……雅が初めてだ」  よく知らないくせに、なんて大胆なことをしてしまったのかと自分でも恥ずかしくなった。  それでも、雅の雄を見せられたら、引き寄せられるように求めてしまった。  自分の中にこんな感情があったなんて、知らなかった。 「う……嬉し……やばっ」  引かれるかと思っていたら、裏返った声が聞こえてきて、顔を上げると雅は口元を手で押さえて震えていた。 「初めてとか、そんなので優越感を感じるなんて、ばかばかしいと思っていたのに、やばい……もう……興奮しすぎて、また……」  一度達したはずだが、雅のソレは元気なままだった。さすが20代だと感心してしまうが、さっきよりいっそう鼻息が荒くなった雅は俺にガバッと覆いかぶさってきた。 「大森さんも……、ここ、はち切れそうになってる」  すでに繊細な生地を押し上げて、自分の雄が勃ち上がっているのが見えたが、下着の上からゆっくり擦られたら気持ち良すぎてぶるりと震えてしまった。 「もう……いいですか?」 「あ……ああ……」  ついにこの時が来たのかと緊張が高まった。  サイドテーブルから何やらボトルを取り出した雅はそれを手に取って手の中で揉み込んだ。 「試供品でもらったやつだから新品ですよ。少し温めてから使うといいって聞いたので……じゃ、いきますね」  雅は俺の足を持ち上げて膝を立たせてから、下着の中に手を入れて、準備していた液体を俺の後ろに塗りつけてきた。  雅の長いまつ毛にうっとりと目を奪われていたら、ぐっと指が入ってきた感覚がして、いっきに現実に引き戻された。 「んっっあああっっ、ちょっ……!!」 「ああ、やっぱり……せまい、ですね。手順は調べてます。傷つけないように、トロトロにしますから」  頭が真っ白だ。  何が起きているのか、信じられなくて真っ白。  体格から考えて、普通……普通がよく分からないが、イカつい俺と雅では、向こうもそれなりに逞しいが受け入れるのは雅だと思い込んでいた。 「あ、あ……あの、これは……俺が……その……」 「気持ちいいですか、大森さん?」 「ひっ……んんっ」  まだ話し合う余地があるのではないかと雅を止めようとしたら、耳元で色気たっぷりに囁かれて、甘く痺れてゾクっとしてしまった。  しかも中をぐりぐりと広げるようにかき回されて違和感しかなかったのに、ある場所を擦られたら電流が走ったみたいにビリビリと痺れてしまった。 「なん……これ、あああっ、くっ……ああ」 「へぇ、ここかぁ……」 「なんだ? なにが……?」 「男がお尻で気持ち良くなれる場所みたいです。ほら、どうですか?」 「はひっ…ぃぃ……ちからがぬけ……やめっ、ああっああっ……おかしく……なるっっ」  いい所を集中している攻められたら、俺は涎を垂らしながら頭を振って快感に悶えた。  気持ち良すぎてたまらない。  体の内部が焼けるように熱くなって、雅の指をぎゅうぎゅうと締め付けた。 「ははっ、指が引きちぎれそう。俺、耐えられるかな……、頭沸騰して鼻血出そうです」  こんな甘い攻めは俺の方が耐えられない。  無意識に前を掴んで擦ってしまった。 「あっ、だめですよ。一人で遊ぶなんて……、もう濡れてぐちょぐちょですよ。軽くイッてますか? 沁みができてる」  敏感なところを擦られて、イキたくてたまらなくなってしまった。せっかくイキそうになっていたのに、止められてしまい、俺は切ない声を上げた。 「もう三本入りました。入口はとろとろに柔らかくなってますよ。そろそろかな……」  この快感の波から解き放たれるなら、もうどっちでもよかった。  雅は自身をあてがって、ゆっくりこじ開けるように中へ挿入ってきた。  優しすぎる動きがもどかしく感じた俺は、足を雅の後ろに回して自分の方へ引き寄せた。 「あっ、大森さ……くっっ」 「んんっあっ、みや……ふかい」 「くっ、んっっ、さ……すがに、せまっ……中、ヤバいです。すご……うねって……絡みついてく……る」  汗を垂らしながら、丁寧に腰を進めていた雅だったが、堪えきれなくなったのか、最後の一押しは俺の腰にぶつけるようにバチンと音を鳴らして深く挿入ってきた。 「あっあああっーー、みやっ…みやびっ」  内部が広げられる圧迫感で、目の前が光ったように一瞬白くなった。  そして雅が全部挿入した瞬間に、俺は達してしまいショーツの中にどろっとした白濁か流れるのを感じた。 「ああ……最高……。俺、挿入口の空いた下着とか、論外なんですよね。普通の下着をあえて脱がずに窮屈に寄せた間に挿入する……。布が引っ張られて、大森さんのタマは丸見えだし……可愛すぎて……っっ、もっ……んんっ、あっ……………」 「あっあっ、なかっ……あつっ」  ベラベラ自分の性癖を熱く語っていた雅は、急に中でビクビクと激しく動いた。そして腸壁に熱い飛沫を感じた俺は、雅の腕にしがみついた。 「うわっ……俺、早漏すぎ。すみません、イっちゃいました」 「え?」 「大丈夫です。すぐ回復して、気持ち良くさせますから」 「みやび……もうい……んっ、はっ………んんっ」  雅は達したがまだ硬度を保ったままで、抜くことなく、俺の胸を揉みながら唇を重ねてきた。 「終わったら中洗って綺麗にしますから、たくさんしましょうね」 「んっ……んあっ……ぁぁ……」  若さなのか、あっという間に回復した雅はゆるゆると動いて俺の反応を確かめた後、ゆっくりと律動を開始した。 「ああっ、あっ……あっあっ………」  全身ぐずぐずに溶けてしまうみたいだった。  こんな激しいことをしたら、明日きっと俺の尻はやばいことになるだろうとは思ったが、気持ち良さそうに感じている雅の顔を見たら、もうどうでもよくなってしまった。  髪の毛一本、最後の一滴まで、全部一緒に気持ち良くなりたい。  雅は俺の性癖を知っても引かずに、それどころか興奮すると言って求めてくれた。  雅が俺に打ち付けるたびに、自分の周りに築いていた壁がボロボロと壊れていくのを感じていた。  激しい快感の波に溺れて、次に目を開けた時には雅のキスが欲しい……。  今まで誰にも抱いたことのない気持ちに戸惑いながら、俺はゆっくり目を閉じた。
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