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時々吸いつきながら、胸全体を揉まれたら、まるで女になったように甘い声を上げてしまった。
「はぁはぁ……ぁ……くぅっ、ああっ、だめっ……だめだ……みや……び」
「ふふふっ、大森さん、乳首弄られて勃起しちゃったの? 可愛いなぁ……この前舐めてくれたし、今度は俺が……」
ここは外とはいえ社の中には変わりないので、大きな声を上げるわけにいかない。
それなのに、雅は嬉々とした顔でベルトを外してズボンのチャックを下ろしてしまった。
ぶるんと下着の中から俺の大きくなったモノが飛び出してきて、雅はそれを躊躇うことなく口に入れてしまった。
「おおもりはん、もうちょっとにがい、でてきてる」
「ううっ……雅、まて……こんなっ……嘘だろ」
俺のを咥えたまま喋る雅に、なんて光景なんだとおかしくなりそうだ。
雅の上品な口の中に、俺のモノが……
「あっ、うっううっ、はぁはぁ……みやび……んんっ……あっっ」
「きもひいい、でふか?」
口の中に含まれて、舌でゴリゴリと擦られた。空気を入れて卑猥な音を上げながら、頭を上下させる雅を見て、頭がクラリとした。
「きもち……い、いいっっ、ハァハァ……あぁ、そんなにはげしくっ、みや……でる……でるって」
咥えられた時点でもうイキそうだった。
激しく擦られたらひとたまりもない。
雅の柔らかな髪に手を入れて押し返そうとしたのに、雅の頭は全然離れてくれなかった。
「ああっ、くっっ………あっあっ、あああーーっっ!!」
巧みな舌使いに翻弄されて、あっという間に上り詰めた俺は、口を押さえながら達してしまった。
ビクビクと腰を揺らして放ったが、ごくりと飲み込む音が聞こえてハッと気がつくと、雅がごちそうさまと言いながら舌をべっと出して見せてきた。
「嘘……嘘だろう、飲んだ……のか?」
「一度飲んでみたくて。確かに苦くて飲めたもんじゃないですけど、大森さんのだと思うと、急に美味しくなった気がします」
「はぁ……お前ってやつは……」
まったく予想のつかない男すぎて、また呆れてしまった。
しかもその舌で俺の口をペロリと舐めてきたので、ほんのり苦味感じて、うわっと言ってしまった。
そんな俺をみて悪戯をした子供のような顔で笑った雅は、俺の乱れた服を直してきた。
「じゃ、そろそろ行きましょう」
「えっ……そ……お前はいいのか?」
サクッと自分の服の乱れも直した雅は爽やか笑って、立ち上がってしまった。
見れば雅のソコも服を押し上げているように見えたが、雅は治めますから大丈夫だと言ってきた。
「大森さんに気持ち良くなって欲しかったんです。時間もそんなにないし、行きましょう」
「あ……ああ、分かった……」
確かに時間に関してはその通りだし、自分だけ気持ち良くさせてもらって、何も言える立場ではない。
でも、雅びのソコに触れられなかったことが少しだけ寂しくて、あの時の名残なのか後ろがじわっと疼いてしまった。
自分の変化に戸惑いながら、時間という言葉に押されるように、俺も立ち上がって社の中へ戻った。
年に一度の国内外のメーカーが集められた展示会は朝から大盛況だった。
このためにナイトドリームの新作を用意して、それだけではなく、大人可愛いをテーマに新シリーズも発表された。
そしてスポーツに最適な着心地とお洒落な下着をテーマにウチの部からも新作が発表された。
ブースにはたくさん人が押しかけて、整理券を配布するほどだった。
「こんなに人が来てくれるなんて、メンズラインも好評ですね。やりましたね、大森さん」
メインのランジェリー部のブースの端に用意してもらったスペースで、俺と小松は接客係となって対応に追われていた。
意外と男性のお客様が多くて、驚いたほどだった。会社としてのネームバリューはあるので、そこに期待を持ってもらったようだ。
そして商談はほぼ成立して、なかなか幸先の良いスタートだった。
その時、ランジェリー部の女の子が在庫の段ボールを持ってきたのが見えた。
やけにフラついている姿が気になって立ち上がってすぐ側まで行って声をかけた。
「大丈夫か? フラついてるぞ」
「あっ、大森さん……」
その子はいつだったか、みんなの前で悪ノリして冗談を言ってきた女の子だった。
ぱっと思い出したが、そんなことはもうどうでもいいと、女の子の持っている段ボールに手をかけた。
「くおっ、おもっ! なんだこれ、石でも入っているのか?」
「すみません、分厚いカタログが大量に入ってます」
「こりゃフラつくわけだ。よく持ってきたな、っていうか、今度は声かけてくれよ。この筋肉、こういう時に力になれないと、付いてる意味ないからな」
ヒョイっとはいかなかったが、俺が荷物を代わりに持ち上げてブースの奥まで運んだ。
「大森さん、ありがとうございます」
「おう、後半もお互いがんばろう!」
軽く手を上げて爽やかに笑ったら、女の子は嬉しそうに笑い返してくれて、頭を下げてから持ち場に戻っていった。
「変わらないですね」
背後から聞こえてきた声に驚いた振り返ったら、雅が立っていた。
俺のことをジッと見ながら、昔のことを思い出しているような遠い目をしていた。
「なんの話だ?」
「俺が新人の頃、嫌がらせしてくる先輩がいて、エレベーターが故障している日に、大量のペットボトルを会議室の階に運べって命令されたんです。俺も意地になって途中まで運んだんですけど、汗だくになって吐き気はするし、もう、途方に暮れてて……その時、今みたいな感じで大森さんが段ボールを代わりに運んでくれたんですよ」
「え!? 俺!?」
「そうですよ。トレーニングの一環だからと言ってくれて、汗垂らしながら上まで運んでくれて……、最後は頑張れよって俺の背中を叩いてくれました」
「トレーニング……そういえば、小っ恥ずかしくてそんなような台詞を言ったような気が……」
「実はその時から、ずっと大森さんのこと、気になっていたんです」
「えっ…………」
雅が熱のこもった目で俺を見つめてきた。
ガヤガヤした会場だったが、俺と雅だけが立っているみたいに、二人の間には静かで濃密な時間が流れた。
気になるって……もしかして………
雅のその言葉の奥を手繰り寄せる前に、そこの二人早く戻ってー! と部長の大きな声が響いて、現実に引き戻された。
もっと聞きたかったが仕方ないと思って頭をかいていたら、去り際に近づいてきた雅が、今日大森さんの家に行きたいですと小声で話しかけてきた。
一気に緊張してドキドキと心臓が騒ぎ出した。
とにかくこんな中途半端な状態ではもどかしくて仕方がない。
俺はもう何も考えずに、分かったと言って頷いた。
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