イベントに誘われて

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イベントに誘われて

 文化祭の振り替え休日明け、文化祭で北村君とやり合っていた斉藤さん本人ではなく、いつも連んでいる2人の女子から嫌味を言われた。北村君といたことが斉藤さんから伝わったようで、「男と歩いてデレデレして」なんて見当違いのことを言ってきた。いちいち相手にしてられなくて、適当にあしらった。  でも、何故か斉藤さん本人は何も言ってこなくなって、不気味だった。嵐の前の静けさではないけど、何だか怖かった。  千郷にはあれから逐一報告していて、この話をしたら「気をつけてね」と言われた。  クラスメイトに無視されるようなことはなくなってほっとしたけれど、油断しているとまた何か起こるかもしれない。千郷の言うとおり気をつけようと思った。  そんなこんなで10月に入ろうとしている時、北村君からお誘いのメッセージが来た。 『姉貴の友達にサークルの手伝い頼まれたんだけど、愛唯ちゃんもやらない?』  サークルのお手伝いと言われても、私で役に立つんだろうか。どうしようかと悩んでいたら、続けてメッセージが届いた。 『愛唯ちゃんの好きなミキヤ君のイベントだって』  私は驚いた。ミキヤ関係の情報は常にチェックしていたはずなのに、まさかの見落とし? 『出る出る!』  と二つ返事で引き受けてしまったのだが、日曜日当日、行ってみて後悔することになった。  ミキヤ受けオンリーイベント!?  入口の立て看板を見て、私は愕然とした。 「ごめん。その、騙すつもりだったわけじゃ」  北村君が何かぶつぶつ言っていたけど、ほとんど聞いていなかった。  そんな。私、同担は歓迎だけど、ミキヤがレンヤやマナトに攻められて喘ぐなんて、そんなの、そんなの……。  ちょっと見てみたいかも。  なんてくだらないことを考えていた。
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