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家に帰るとお母さんに「今日は誰と出かけてたの？ 千郷ちゃん？」なんて聞かれて、返答に困った。男の子なんて言うと色々言われそうだったので、適当にごまかした。
「ちょっとイベントの手伝いで」
「イベント？」
「同人誌のイベント。小さいやつだけど」
そしたら、お母さんは思い出したように言った。
「そうだ、夏コミでエマロビン探してくれた？」
「あ、見忘れた」
「もう」
お母さんは学生時代からのイエモンファンで、しかも、ギターとボーカルの絡みが大好きなのだ。腐女子ってわけではないみたいだけど、私から見ると似たようなものだ。漫画やラノベも大好きだし。アニメは何故か見ないけど、代わりに海外ドラマばかり見ている。
「これ、買ったやつ？」
「うわーーっ。だめ」
手提げ袋に入ってた本は、際どいやばい本ばかりだったので慌てた。
「うわっ。何これ。えぐっ」
「ちょっとお母さん！」
私もまだ読んでないのに。後で自分も読んで後悔したのは言うまでもなかった。
ＢＬ自体が嫌いなわけじゃないけど、やっぱり推しキャラが受けなのは納得いかない。攻めでも困るけど。
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