学校でひと悶着

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学校でひと悶着

 日曜日に出かけたため、月曜日の学校はつらかった。無理やり起きてぎりぎり遅刻はしなかったけど、もっと寝ていたかった。  教室であくびをしながらふと周りを見ると、斉藤さんが一人でいるのが見えた。いつも一緒にいる2人は別の場所で話していた。珍しいと思って、ついちらちらと見てしまった。喧嘩でもしたのかな? まあ私には関係ないけど。  なんて思っていたら、1時間目が終わった後の休み時間に私がトイレから戻って来たら、斉藤さんの席をいつも一緒にいる2人が囲んで言い合いをしていたのだ。 「なんとか言えよ」 「だから付き合うか付き合わないかなんて私の勝手じゃない」 「ふざけんな」 「うちら一蓮托生で同盟組んでんだから、抜けられちゃ困るんだよ」 「はあ? そんなの知らないし」  何の話をしているかわからないけど、2人が斉藤さんの椅子を蹴ったり揺らしたりしているのが見えた。  クラスのみんなは巻き込まれたくないのか、遠巻きで見ているか、さっさと教室から出て行くかだった。  私も巻き込まれたくないし、ほっとこうと思ったら、斉藤さんの椅子がガタッと音を立てて倒れた。 「いったー何すん」 「うっさいあんた目障り」 「金輪際話しかけんな」  すごくやばい雰囲気で、クラスのみんなが一気に3人を注視し出した。 「ちょっとやめなよ」  と学級委員の宮田さんが口を挟んだ。 「うちらの問題だからほっとけっての」  さっきから斉藤さんを詰っている1人の山田さんは、宮田さんを睨み付けた。続いてもう1人の三島さんも同じように宮田さんを睨み出した。  私は見ていることしかできなかった。  そのうちにチャイムが鳴って、2人は仕方なく席に戻っていった。  私には関係ないとわかっていても、気が気でなかった。また一悶着ありそうだと思った。
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