デート!?

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デート!?

 そんなこんなで私は冬休み3人で会うのを楽しみにしていた。  ただその前に一つ予定が入った。北村君に誘われたのだ。しかもその日がクリスマスイブだったりしたから、千郷と沙織の2人は揃って『下心ありありじゃない?』なんて言ってきた。示し合わせたわけじゃないのに、それぞれに同じ事を言われて、辟易した。北村君とはそんなんじゃない。と思う。でも、正直自信ない。  私が友達だと思っていても、向こうは違うかもしれない。難しいよ。何でみんな友達と恋人と上手に分けられるんだろう。私がまだ子供なだけなのか。彼氏が欲しいと思う沙織の気持ちもよくわからない。  私は推しを追いかけていれば十分なのに。それがやっぱり子供なのかな。  出かける前に、千郷と沙織それぞれから連絡があった。 『気をつけてね』 『何かあったらすぐに連絡してよ』  というような、私を心配するメッセージだった。  千郷もそろそろ神奈川に戻ってくるらしい。3人で会うのは3日後の27日の予定だ。その後には冬コミが控えてるし、今年の冬休みは忙しい。  私は努めて意識しないように、いつも通りの服装で普通に出かけた。  待ち合わせ場所は、イルミネーションがきれいな新宿の駅ビル前だった。歩いてるのはほとんどカップルばかりで、失敗したかもしれないと思った。私はそんなつもりで来たわけじゃないのに。  北村君の服装がこの前よりおしゃれで、決まっていた。ちょっとフォーマルな感じ。私はカジュアルな格好だったので、2人で並ぶとちぐはぐな感じがしてしまった。 「愛唯ちゃんいつもと変わらないね」 「へ? 北村君こそ、いつもと違うね」  言ってから、いつもっていうほど会ってなかったと気付いた。まだ4度目だ。それに最初の時は制服だった。 「せっかくのデートなのに、愛唯ちゃんはこれだからな」 「で、デート?」  そんなの聞いてないんですけど。やっぱり千郷と沙織が思った通りだったんだろうか。 「うん。やっぱり意識してないと思った」  北村君は呆れたようにため息をついた。 「あのねえ、勝手に」 「愛唯ちゃんははっきり言わないとわかんないってわかった」  何それ。どういうこと? 聞き返す前に北村君は言った。 「俺だってクリスマスイブにただの友達と出かけるほど暇じゃないよ」 「え?」 「そういうこと」  そういうことって言われても困るんだけど。それって、やっぱり……。
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