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最悪な学校
だけど、月曜日の朝になると、また憂鬱な気持ちになった。教室に顔を出したら、きっと何か言われる。そう思うと、学校に向かう足取りも重くなった。
チャイムが鳴るぎりぎりの時間に教室に入ったので、誰かが何かを言ってくる前に先生が来てやり過ごす事ができた。でも、休み時間は無理だろう。
案の定、1時間目が終わってすぐ、いわゆる垢抜けてる系女子三人から詰め寄られた。
「何で勝手に歌に割り込んだわけ?」
「あげくの果て暴言吐いたりさ」
「あの後ホント最悪だったんだから」
だいたい打ち上げを口実にして合コンみたいなことするのが悪いんじゃないかと思った。そんなの私の知ったことじゃない。レストランの一次会の後、クラスのみんなに二次会のカラオケの話をしていたのだから、誰だって参加する権利はあるはずだ。
「すんません」
私は口先だけで謝った。
「何それ、本当に反省してるの?」
「最初から二次会来ないで帰れば良かったんじゃないの?」
「そうよ。そうよ」
「はあ」
何を言っても無駄かも。私はそう思って、ただため息をついてやり過ごすしかなかった。
「ちょっと狩屋さん!」
「なんかもっと言うことないの!」
「いい加減にしてよね」
三人に頭ごなしに言われて、いらつき、昨日のようについ口から言葉が出た。
「もう行かないですけど、あからさまに男狙いの会開くのやめてもらえます?」
「あんた舐めてんの!」
ふざけんなと今にも殴りかかってきそうな三人を見て、そろそろやばいなと思った。すり抜けてトイレでも行こう。
そう思って立ち上がったら、
「何? 何か揉めてんの?」
と別の女子が口を挟んできた。
「二度とあんなことしないで」
と三人は一方的に言って席に戻っていった。私は嵐が去ってほっとしたのだった。
これで終わりかと思ったら、違った。
私が2時間目の休み時間にトイレから戻って来ると、教室の空気がガラッと変わった。
突然しらけたような空気になった。しかも、こそこそと噂話みたいな声も聞こえる。一体どういうこと?
あの三人は、私がいない間にクラスメイトに何かしたんだろうか。
国語の教科書を忘れて、隣の人に見せてもらおうと思った時は、あからさまな目に合った。
「教科書みして」
と隣の席の女子に言ったら、黙って教科書を私の前に置いて、その子は私とは逆の席の子に見せてもらい出したのだ。
隣の子に何かした覚えもない。ほとんど話したこともない。なのに、突然肩身が狭くなる思いがした。
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