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北村君と目についたスタバに入った。千郷とたまに行くこともあるけど、いつも金欠だから安い店に行く方が多かった。
「そんな穴が開くほどメニュー見てないでさ。何でも頼みなよ。奢るから」
私が金欠なの悟られたんだろうか。
「だ、ダメ。自分で出す」
「何で愛唯ちゃんってそういうとこ頑ななの?」
「だって私たち同い年だし、対等でしょ」
「愛唯ちゃん意外にしっかりしてんだよな」
意外とか言われたくないと思ったら、先に北村君が謝ってきた。
「ごめん。愛唯ちゃんをけなしてるわけじゃないけど、俺の周りだらしない女が多いからさ」
やっぱり北村君って経験豊富……。
「あ、姉貴とかその周りの人たちの話だからな。誤解すんなよ」
なんだ。そういうことね。そういえば一度お姉さんに会ったっけ。あれはコミケの時だったと思い出した。特にだらしない感じはしなかったけどと思い、私が首をかしげたら、北村君が説明してくれた。
「だらしないのは主に上の方の姉貴な。バツイチ子持ちで息子を人に面倒見させて遊びに行く奴だよ」
「お姉さん2人いたの?」
「そう。3人兄弟の末っ子。愛唯ちゃんは一人っ子?」
「うん」
千郷も一人っ子だ。沙織はよく知らない。一人っ子の知り合いが多い気がするのは、少子化のせいだろうか。
「上の姉貴はブラジャーとパンティ1枚で家の中歩いたりする奴なんだよ。そんなんだから離婚するんじゃねえの」
結構辛辣だ。北村君は人の悪口言ったりするときだけ口が悪くなるみたい。
「好きなの頼みなよ。奢られるのが嫌なら、今度代わりに奢ってもらうから」
それならと思って肯いた。だけど、後々よく考えたら、また北村君と出かけることが決定してると気付いた。
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