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回想
小学生の私が泣いていた。
「ヤダァー 学校行きたくない」
「こんな青い目なんてイヤ
お化けみたいで気持ち悪いって
皆んなが言うの…」
泣きじゃくる私を芙美が困った顔で抱き寄せた。
「月ちゃんは病気だから仕方ないの…
皆んなが悪口言わないように、お姉ちゃんが先生に頼んでおくから。」
「月子、毎日お手伝いもして、お約束もちゃんと守ってるのに…
何で意地悪な子は元気なのに、月子ばっかり病気になるの?
元の普通の目に戻りたい」
地団駄を踏み、泣きじゃくりながら叫んだので咳込んで吐いてしまった。
私は自分の不満を全て芙美にぶつけていた。 当時の私は小さく、まだ他人の心の声が聞こえ始めたばかりで、精神的に不安定だった。
芙美は私が吐いた物を片づけながら
優しく大丈夫、大丈夫といって私をなだめてくれていた。
私は成長するに従って
私の存在自体が芙美の生きる理由であり私が傷付けば芙美がその2倍、3倍苦しむ事に気がつくようになっていた。
そしていつも、大丈夫だからと笑う芙美が抱え込んでいる色々な物についても…
私は芙美が大好きで幸せになって欲しかった…
だから私は自分に幸せの仮面をつけた
私が幸せなら芙美も幸せだから…
ねぇ 今井先生…
私、先生以外に仮面をとれる相手を見つけました…
先生は喜んでくれますか?
それとも、やめた方がいいと私を優しく叱ってくれますか?
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