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休憩時間になったと同時に、隣の教室に乗り込んだ。私の荒々しい足取りにクラスメイト達も道を開ける。
「ちょっとあんた! なんてことしてくれるのよ!」
目的の巧のもとまでたどり着くと、持ってきた本を机の上に叩きつけた。まだ教科書を開きっぱなしで、机に座っていた巧は私の剣幕に大きく目を見開く。しかしすぐに顔を逸らした。
「……んだよ。そんなにキレることか」
「あったりまえでしょ! せっかく人が善意で貸してあげた教科書に落書きなんかして! おかげでさっきの授業危なかったんだから!」
様子を伺っていた周囲も、私の叫びにいつものことかとすぐに興味を失った。喧騒が戻った教室で、しかし私の怒りは収まらない。
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